日経225オプションの価格の決まり方と計算方法

今回は、日経225オプションの価格の決まり方についてお伝えいたします。日経225オプションが難しいと思われる理由の一つに、価格がどのように推移しているのかわからないという点があります。

日経225先物のように、価格が上がった下がったで価格が決定するのであればわかりやすいのですが、日経225オプションはそうではありません。そこで、今回は日経225オプションの価格のどのように決まるのか。

 

日経平均株価が〇〇円上がった時のオプションプレミアムの計算方法の目安をお伝えしていきます。まずは、日経225オプションの価格がどのように決まるのかを見ていきます。

日経225オプション価格の決定要因

日経225オプションの価格(プレミアム)は、3つの要素から決まっています。具体的に見ていきましょう。

①権利行使価格
②ボラティリティ
③時間

権利行使価格

権利行使価格という言葉はちょっと難しいですが、要は買ったり売ったりする価格と現在の日経平均株価の距離が価格に影響するということです。

簡単に言うと、権利行使価格と日経平均株価の価格が離れてたらオプションの価格(プレミアム)は小さくなるし、権利行使価格と日経平均株価の価格が近くなればプレミアムの価格は大きくなります。

ちょっと、わかりにくいので現在の価格で例を出したいと思います。現在、日経平均株価は21,500円になります。その際の権利行使価格を見ていきましょう。

日経平均株価 21,500円

権利行使価格 21,000円 100円
権利行使価格 20,500円  44円

これを見てもらえればわかりますように、日経平均株価に近い価格21,000円のオプション価格が100円になっています。さらに、500円離れた20,500円のオプションの価格は44円になっています。

この価格差が56円になっています。これを見てもわかるように、日経平均株価から権利行使価格が離れている方がオプション価格が安いことがわかります。

ちなみに、このオプション価格というのはコールよりもプットの方が高くなっています。これは、上昇はゆっくり上がるのに対し、下落は一気に落ちていくことが多いのでプットの方が高いオプション価格がついています。

ボラティリティ

日経オプションの価格は、ボラティリティに大きく影響を受けます。オプションボラティリティに値段がつくというのは、トレーダーの恐怖感や期待感という感情に値段がついているということです。

実際の価格から算定したボラティリティをIVといい、日経IVが20%未満の場合は停滞相場、20%以上28%未満は通常相場、28%以上はボラティリティが高い相場になります。

IVボラティリティの目安はコチラ

ボラティリティが上がれば、オプション価格が大きく上昇するために勝ちやすい相場になります。逆に、ボラティリティが小さいとオプション価格が小さくなるので、実入りが少なくなります。

時間

投資に絶対にはない。よく言われる言葉ですが、唯一絶対のものがあります。それは、時間の経過です。この時間の経過をお金にかえることができるのがオプションの特徴でもあります。

オプション価格というのは、SQ(清算日)に向けて価格が減少していきます。時間が長いほど価格は高く、時間が経過していくほど価格が減少していきます。これをタイムディケイといいます。

ただ、これは直線的に価格が減少していくわけではなく逓減的に減少していきます。具体的にいうと、SQまで残り2週間の期間の減少が大きくなります。また、翌限月のオプション価格は当限月のSQ週に大きく価格が減少します。

 

このように、日経225オプションの価格はこの3つの要素から価格が決定しています。では、価格はどのように計算をしていけばいいのでしょうか。目安となる計算方法を見ていきましょう。

オプションプレミアムの計算方法

ここまでで、日経225オプションの価格がどのように決まるのかは理解できたと思います。でも、計算したいって思ったときにどのように計算すればいいのかを見ていきましょう。

今週の日曜日は、参議院選挙があります。ここではわかりやすいように、自民党が大勝して株価が大きく上昇しそう。でもオプション価格はどれくらいになるかわからないとしましょう。

計算には、SPAN証拠金のデルタを利用します。現在、日経平均株価21,500円で、デルタは-0.0395になっています。これが、自民党が大勝して日経平均株価が22,000円にはね上がるとしましょう。

計算例
500×0.0395=19.75円
現在値9円+19.75=28.75円

月曜日に500円上昇してスタートしたとすると、C22500円では約20円ぐらい今よりもプレミアム価格が上昇することが目安として計算できます。

 

これは、プットでも同じで仮に自民党が大敗して月曜日に日経平均株価が21,000円まで500円下落したとしましょう。デルタは、0.1591です。すると計算は下記のようになります。

500×0.1591=79.55円
現在値63円+79.55円=142.55円

P20750のオプション価格は、一気に143円ぐらいになります。要は、オプション価格はデルタと密接に関係しており目安を計算するときには、デルタに上昇幅や下落幅をかけると導きだせるのです。

 

この計算がわかっていないと、なにか大きなニュースが出たときにどのくらい価格が動くというのがわかっていないのでドキドキしなければならなくなります。

 

特に売りをたくさん保有している場合は、資金管理を考えるうえで重要な考え方になります。デルタでオプションプレミアムの価格の目安を計算できるようになってください。

 

これがわかれば、資金管理もおのずとできてくるようになります。今回は、日経225オプションをする人にとっては必見の内容になっていますので、何度も復習してくださいね。