損切りルールの極意/タイミングはここしかない

多くの個人投資家は、損切りができない。損切りルールがないという話をします。では、損切りのルールを作って損切りができるようになるのは難しいのでしょうか。

私の答えはNOです。損切りのルールは、簡単に作れますし慣れれば誰でも実行することができます。損切りができない理由は、ルールがない。もしくは、損切りのタイミング明確な根拠がないためです

 

なので、損切りルールがしっかりあり、ここしかないというポイントに損切りを入れておけば誰でもできるようになります。損切りルールをもっていない。損切りができないというあなたは最後までお読みください。

損切りルール

投資ルールを作りたいと思ってマイルールをつくるのは、安定して勝ち続けるトレーダーになる第一歩です。そして、投資ルールの中で最も重要なのは損切りのルールと資金管理のルールです。

 

この2つは大きくかかわるので、セットで考えます。よく損切りのルールをつくるっていうと、資金の5%とか3%とかって決めます。その損切りルールもないよりは、あった方がいいですが根拠がそこにありません

 

冒頭にもご説明したように根拠がないルールは継続ができません。根拠がないポイントで損切りするから損切り貧乏になってしまうのです。私は、損切りのタイミングはチャートで決めます。

 

わかり易いようにチャートで見ていきましょう。以下のチャートをご覧ください。日経225先物のチャートになります。

仮に次の条件で、損切りポイントと資金管理を考えていきたいと思います。

条件
資金500万円
エントリー 20,320円
損切り   19,840円
損切り許容金額 5%(250,000円)

 

実際に私がおススメしているとおりの売買になります。エントリー20,320円。これはグランビルの法則1番になります。移動平均線を上抜けしてエントリーです。ちょうど、赤丸のところです。

 

ここで、損切りをどこにしようかと考えますよね。損切りは、直近安値の青丸のところです。直近安値を損切りタイミングにする根拠は、直近安値を割ってしまったら完全に下落トレンドに突入するからです。

 

ダウ理論でいうところの高値切り下げ、安値切り下げの下落トレンドが確定するポイントが19,840円だからそこを損切りのタイミングとします。

そして、この19,840円より下がれば最近買っている人の中で利益が出てる人がいない状況になります。すると、どんなことがおこるのか。買っている人の投げ売りが起きます。なので、損切りポイントというのは直近安値に設定するのです。

 

しかし、ただ単に損切りを5%と決めてしまうと500万円×0.05=25万円。仮にラージ1枚(1000)買ったとすると、20,070円のところで損切りになります。ちょうど、黒の水平線を引いているところです。

 

水平線を引いているところを、損切りのタイミングにしたとしたらどうでしょうか。下落真っただ中で根拠ないですよね。今後、Wボトムで上がっていく可能性もかなりあると思います。

そして、上がっていって損切りしなければ良かったって思うのです。その結果として、損切りができなくなってしまうわけです。では、同じ5%の損切りだとしてどうすればよいのでしょうか。ここからが資金管理です。

損失管理

もう一度、今の状況を確認しましょう。

条件
資金500万円
エントリー 20,320円
損切り   19,840円
損切り許容金額 5%(250,000円)

ここまで、決まっていると後は簡単です。勘の良い人はすでに気づいていると思いますが、枚数で調整します。計算してみますね。

●20320円-19840円=480
●250,000/480=520.833(枚)

このケースでは、買う枚数を調整して500枚(日経225ミニ5枚)までしか買えないということです。端数は切り捨てます。資金管理とは、このように損失額を限定することなのです。

どうでしょうか。同じ250,000円の損失限定の取引ですが直近安値に損切りを置いた方が、根拠が明確ですよね。もちろん、買う枚数が少なくなっている分上昇した時の利益は減ります。

 

しかし、投資で勝ち続けるようになるためには、まずは負けないことが大事です。いきなり大きく勝つのではなく負けないようになってはじめて、その後勝ち続けるようになれます。いきなり勝ち続けるのは、才能が相当ある人じゃないと無理です。

 

そして、損切りができなくなる理由の一つに損切りをした後にもう一度、上がってきた経験があるからという人がいます。もし、今回の損切りと資金管理を行って、損切り後に上昇してきたら・・・もう一度損切りを置いて買えばいい。

 

ただそれだけなんです。大事なことは、エントリーして逆方向に向かった時に自分の損失が管理できているかどうかです。

投資家が自分で決めれるのは、実は損切りの金額しかありません。利益の確定というのは相場が上昇していれば、ずっと保有しつづけますから相場次第です。

しかし、損失というのは資金管理さえしていけば自分で決めることができます。今回の記事では、5%にしましたが3%にしてもいいし、自分の好きなように決めればよいです。

 

ただ、私が長年やってきた感覚でいうと損切りの限界は資金の5%かなって思います。これに対して、FXとかをやっている人でレバレッジはいくらですかって質問をする人がいます。

しかし、損切りを投資資金の●%と決める。それに合うように枚数を調整するのが資金管理ですから・・・そこにレバレッジの概念はまったく関係ないです。

 

損切りの極意

実は、ここまで理解できても損切りを実行できない人が半分ぐらいいます。頭で理解していても損失を受けいれる行動がどうしてもできないのです。では、どうすればよいのでしょうか。

 

ここからは、ちょっとした損切りのコツをお伝えします。損切りのコツは、ズバリ買う(売る)と同時に入れることです。逆指値を使って、エントリーと同時に入れるのです。

 

今回の例でいうと、20,320円で買ったと同時に19,840円に逆指値注文を入れておくということです。そうすることで、損失が限定されます。

逆にいうと、買うタイミングで損切りが明確になっていない場合はエントリーしないということです。逆指値の価格が決まっていて初めてエントリーをするのです

 

そして、一度逆指値注文を入れたら動かさない。(含み益が出て建値に移動させるのは別です。)動かしてしまうと、買うと同時に入れた逆指値の意味も根拠もなくなります。だから動かさない。

 

エントリーと同時に逆指値を入れる行動を何度も何度も繰り返し行っていくと、自然に枚数を調整する計算(資金管理)をしてエントリーと同時に逆指値を入れる習慣が身に付きます。これは、株でもFXでも仮想通貨でも全部同じです。

 

直近安値に損切りのタイミングを置いて、エントリーと同時に逆指値で損切りを入れる。損切りポイントがわからないのであれば、エントリーしない。これが損切りと資金管理の極意です。

 

いかがだったでしょうか。今日あなたは、損切りのポイントを決めて資金管理のルールを知りました。そして、エントリーのタイミングで逆指値の損切りを置くテクニックもマスターしました。

これが習慣になることで安定して相場で勝てるようになります。私自身が勝てるようになったきっかけは、損切りと資金管理を実践できるようになったことでした。なので、あなたのきっかねになれば幸いです。

 

時々、この資金管理や損切りのルールを伝えると・・・チャンスにロットをはりたいのでとかって言う人がいますが、ロットを張るのは基本がマスターできて初めてできることです。

しっかり資金管理を行って、大きくロットをはるのであれば買い増しや売り増しの乗せの技術を身に着けるようにしましょう。チャンスだからロットをはると考えるタイプの人は、相場から去る人が多いです。

 

なぜならトレードは、大きな損失を出さないことが一番重要だからです。そうしないと、相場で生き残ることができないからです。そのためには、損切りと資金管理の極意を身につけてください。